●何が違っていたの？
親が子供のことを思い
良かれと思ってやっていたことが、
子供にとって本当に良い結果を生み出しているなら
その関わりは、
子供本人にとっても、間違いなく
良いかかわりです。
けれど、
『良かれ』という思いに基づいた言動に反して
子供が心の病気になっているのであれば
一度、これまでのかかわり方を見直す必要があります。
子は、最初、真っ白、
無垢な状態で生まれてくるのです。
そこに、様々なかかわりを通して色づけしていっているのは親です。
そのかかわり方が、
親の立場から見て１００点でも
子供の状態が拒食症などマイナスなら、
何かが違っている
何かを変える必要があることを示唆しています。
拒食症の子を持つお母様は
どなたも、一生懸命子供のことを『思い』、子育てされています。
私も、娘が拒食症になるまでは、ずっとそう信じていました。
手作りの料理にこだわったり、
健康管理に気を付けたり、
友達と遊べるような環境作りをサポートしたり、
いろいろな習い事に連れて行ったり・・・
旅行にも行ったり・・・
それでも、拒食症という
心を壊す病気になりました。
そして、最初に感じたことは
「私の何が一体いけなかったのだろう？！」ということでした。
そうです。
最初から、誰にも言われていないのに
無意識に
『私の何がいけないのか！』と
自分が悪い・・・という前提のもとに原因を探そうとしていました。
けれど、
医師や、家族、周りから
「あなたが悪い。お母さんの育て方が悪い」と言われたなら
反発心が湧いてきました。
なぜなら、
自分が考えていた子育てに基づいて
一生懸命
『良かれ』と思うことを、子供にやりつづけていたからです。
けれども
どこか、何かが間違っていたから
子供は心を壊した・・・。
それが事実でした。
それを受け入れた瞬間、少し楽になれました。
私は、拒食症だけでなく
不登校をはじめとする子育て全般のお悩みやご相談も受けています。
そうすると
はじめは『子供がもっと良い子になるためには、どうしたらいいか？』というお悩みでカウンセリングを始めても、やがては『子供を変えようなんて、なんてことをしていたのか！
それは子供の人生を所有しようとしているようなものだったんですね。
子供には子供なりな考え方や感じ方があるのに、頭では分かっていても、自分のやり方や正しいと思う形に子供をはめ込もうとしていたことに気が付きました。
すべては、私サイドの問題だったのですね。
本当は
『支配しようとしていた』ことにやっと気が付きました」と
おっしゃるようになります。
誰にも、文句を言われないようなすばらしい子育てをしていたと思っていた。
でも、違っていたんだ。
どこかで、自分の期待に応えてほしい。
子供を自分の期待通りにするためには、脅したり追い詰める言葉を使ったって、それは教育なんだ！と解釈していたことに気が付かれます。
そして、最初は、それを受け入れたくない！とおっしゃいます。
私もそうだったのです。
やってきたこれまでの子育てを否定されるということは
自分そのものを否定されるように感じて、それを受け入れられなくて、『私は悪くない！こんなに一生懸命やってきたんだから！私のどこが悪いの！！』と開き直るしかなかったのです。
そして、そうしている間は、拒食症は悪化の一途だったのです。
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