拒食症 その10 復活
いつものように 娘が先に呼ばれ
私は、 診察室の外で待っていました。
臨床心理士の言葉が頭から離れず、
いったいどんなことが起こっているのだろう・・・?と
不安と恐怖で一杯になり
暗く沈んでいました。
「お母さん、どうぞ」
と呼ばれ、中にはいると
娘と先生が満面の笑みで 楽しそうに話していました。
今まで、先生の話をろくに聞いてもいなかった娘が
とても明るい表情をして こちらを見て言いました。
「ねぇ、ほめて!!
今までで一番 いい結果がでたよ!!
先生と握手しちゃった!」
「??」
血液検査と尿検査の結果が、
2007年9月の初診以来 始めて好転していました。
娘が喜んでいるにも関わらず
私の頭の中では
「吐いているに決まっている!!」と言う
自分の体験をモトにして 決めつけた
臨床心理士の言葉がぐるぐると回っていました。
バーニーシーゲルの
『奇跡的治癒とは何か』
外科医が学んだ生還者たちの難病克服の秘訣
と言う本の中に
「たとえ見通しがどんなに暗くても
人間の心と身体の再生力を
決して過小評価してはならない」
と言う内容のことが書かれています。
全ての人の中に
「生きようとする力」が 潜在的に力強くあるのだと思います。
そのことを信じて疑わずにいれば、
「拒食症は 10年も20年も 治らないに決まっている」と
思って過ごすよりも
ずっと、快復への道が開けるような気がします。
治った後の 楽しい計画をたくさん考え
実際に その計画を実行している自分をイメージし、
そのことを体感覚で
十分に、十分に 感じることができれば、
「病気」である、と
プログラミングされていた脳の一部が
「自分は 元気である! 健康である!」と 認識を変え、
身体も、脳のイメージ通りに
反応しようと していくのではないかと思います。
病気になっている人に
「あなたは、いつまで治るかわからない」
と言うよりも
可能性に満ちた言葉を掛けることによって
意識やイメージを
希望につなげていくことが出来るのではないかと
思いました。
娘は、壁に掛けた大好きなディズニーの絵や写真を
いつも眺めていました。
「大学、合格したら ご褒美に連れていってね。」
ディズニーランドのホームページから
移り変わる四季折々のイラストや写真をコピーし
娘は、よく見える場所に張って
うっとりとしていました。
彼女の頭の中には
楽しむ自分の映像が描かれているように見えました。
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